椅子張り職人とは、椅子に布や革などの張り地を張る職人のことで、AZUMAでは木枠の状態から椅子になるまでの全行程を、1人の職人が一貫して担当しています。手掛ける椅子の種類はダイニングチェアからピアノ椅子やデスクチェアやソファまでさまざまですが、多くは個人のお客様が大切にされてきた椅子。これからも長く使い続けられるよう、職人の知恵と技術を駆使して張り替えを行っています。
ここでは、その張り替えの各工程について、ご紹介していきたいと思います。
まずは椅子に張られた布や革をはがしていく作業を行います。中身のクッションや椅子に打ちつけられたステープルまで全て取り除き、木枠だけの状態にまでしていきます。さまざまな椅子の中身を見ることができるので、椅子張り職人にとって貴重な勉強の機会とも言える工程です。入社後はまずこの作業から取り組んでいただきます。
木枠だけになった椅子にウレタンを貼ったり、クッションやバネを詰めていきます。(座面がくり抜かれている椅子に関してはウェービングテープという弾力材を木枠に張りつけていきます。)下ごしらえは椅子の座り心地を左右する重要な工程なのでしっかり取り組んでいきましょう!また、基本となる工程でもあるので、新人職人にも積極的にお任せしていきます。
下ごしらえの終わった椅子の形に合わせて、生地の「型だし」と「裁断」を行います。裁断は下ごしらえなど他の工程と違って、やり直しが利かないので最も緊張感のある作業と言えます。
裁断が終わったら、ミシンでの「縫製」を行います。柄や折り目がずれない様に集中して作業していきます。また、場所によっては手縫いで作業を進める場合もあります。
縫製できた生地を下ごしらえした椅子にエアタッカーで張りつけていきます。生地を引っ張る力を均等にしないと座面が凸凹になってしまうので注意が必要です。最初の頃はこの力加減が難しいですが、“手が覚える”まで根気強く取り組んでいきましょう!最後に椅子の底に生地を張って、検品をクリアしたら完成です。
検品は、担当者以外の二名体制で行います。お客様のご要望にお応えした仕上がりになっているのか、細かいところまで細心の注意を払って確認します。このチェックでOKが出れば、晴れて納品です。