Arne Norell(アルネ・ノレル)
カタログNO_C254
ILONA(イローナ)
コーナーソファセット(置きクッションタイプ)
きっかけ | HPより | 当社への連絡 | 見積もりフォーム |
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引取方法 | お引き取り | 引取日 | 2002-02-02 |
依頼加工内容 | 工房での作業 | お預かり期間 | 21日間 |
納品方法 | 納品 | 納品日 | 2002-02-23 |
納品場所 | 東京都東村山市 NO邸(個人宅) | ||
納品住所 | 東京都東村山市 | ||
ご注文回数 | 初回 |
加工内容
製造メーカー | NORELL(ノレル)社製 |
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商品名(シリーズ名) | ILONA(イローナ) |
デザイナー | Arne Norell(アルネ・ノレル) |
椅子種類/分類1/分類2 | ソファ/置きクッションタイプ / コーナーソファセット |
加工内容 | 張り替え |
数 量 | 1本 |
生地 | 布地 |
柄/フェイス/織り | 幾何・抽象模様 / モール |
生地調達方法 | サンプル帳より購入 |
加工費 | 5人掛けソファのクッション張り替え加工費 @ 161,700 円(税別 147,000 円) |
その他の費用 ご依頼条件にて異なる |
布地代、ウレタン代、送料(引き取り・納品代) ※加工費の他に上記の費用がかかりました |
作業内容の詳細 | 座面・背もたれウレタン交換 |
カタログNO_C254
ILONA(イローナ)
オットマン
加工内容
製造メーカー | NORELL(ノレル)社製 |
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商品名(シリーズ名) | ILONA(イローナ) |
デザイナー | Arne Norell(アルネ・ノレル) |
椅子種類/分類1 | スツール/オットマン |
加工内容 | 張り替え |
数 量 | 1本 |
生地 | 布地 |
柄/フェイス/織り | 幾何・抽象模様 / モール |
生地調達方法 | サンプル帳より購入 |
加工費 | スツール座面クッションの張り替え加工費 8,000円(税抜)*総額表示義務付施行前 |
その他の費用 ご依頼条件にて異なる |
布地代、送料(引き取り・納品代) ※加工費の他に上記の費用がかかりました |
作業内容の詳細 | 座面ウレタン交換 |
Before & After
HPをご覧いただきお見積りフォームから5人掛けソファのクッションの張り替えの件でメールにてお問い合わせいただきました。クッションお張り替えと言っても中身ウレタンを交換させていただきますので、クッション製作という方が正しいかもしれません。木を組み木のように組んでその中央に厚手の革を張り込んでソファの本体ができています。その革の上に座面や背もたれ、肘のクッションが置かれるようにできています。5人掛けソファのクッションカバー張り替え加工費は98,000円。この他に中身ウレタン代、布地代、送料がかかります。
スウェーデン製の「ARNE NORELL」というソファだそうです。アラ・カワはパーソナルソファとオットマンのセットは同シリーズで革部分の修理をさせていただいた経験がございました。このソファの特徴は木の部分が接着剤を使わず、すべて組み木となって固定されているということです。それで、なぜ組み木の部分が抜けないかというと、座面や背もたれ、肘の面にはそれぞれの木に革が引っかけてある感じに付いていますが、人が腰掛けると革が木を内側に引っ張る形になるので抜けてしまうことはありません。NOさんは30年お使いになったとおっしゃっていましたが、それは接着剤を使用しない組み木の構造だったからでしょう。今回はクッションの張り替え(中身を交換させていただきますので製作といった方がよいでしょうか)本体はいじらないはずでしたが、スツールだけアラ・カワの興味本位で組み木をばらしてみました。ちょうど座面の革の部分がとれましたので伸びてしまった革をちょうど良い状態になるように、縫い直させていただきました。その後、組み木を組みたてようとしましたら、組み木の細かなつくりに感動すら覚えました。イス張り職人に限らずものを作り上げる仕事はいいですね。いろいろなところで勉強させていただいています。
クッションの中身はウレタンを中心に綿が何重にも巻かれていました。今回の張り替えでは、これから先のNOさんがお使いになる上で立ち座りが少しでも楽になるように、また、腰掛けたときに腰が安定するように、硬めの座面を作らせていただきました。もうひとつ、座面の高さは低めでしたので、クッションに厚みをつけ、奥行きを浅くさせていただきました。座面の高さと奥行きの関係は離して考えられない関係です。その理由は、人間のお尻から膝裏、かかとまでの長さがある程度似通っているからです。アラ・カワは日本人の身体の大きさからいうと「座面の高さ+奥行き=870?900(mm)」で考えています。本来、使い手の身体に合わせて椅子を作ることは可能ですが、ソファなどはご夫婦、ご家族、と使用人数の平均値を求めていくとなんとか納まります。ですから日本人よりも体の大きな国で作られた椅子は日本人にとっては「大きい」と感じることがあるのでしょう。極端な話をすれば、ご夫婦の身長の差が大きい場合、その平均値をとってしまうと、じつは個人で腰掛けたときにはお互いしっくりとこない場合がありますので、頻繁にご使用になる方、そのソファが大好きな方、といろいろな条件で、平均値ではなく、条件に合わせてその値を変化させて作る場合もあります。お店で売られているソファは人間工学的に求められた値をもとに作られています。人間工学で求められる値はあくまで”平均値”なので、体型や感覚によって腰掛けやすいソファとそうでないソファとは腰掛けてみないと分かりません。といいながら矛盾しているかもしれませんが、NOさんをはじめ、ソファのウレタン交換をさせていただくときには、使い手と話をしていく中で、アラ・カワがウレタンの硬さや厚みをイメージして、実際に形にし、納品させていただきますので、そこで初めて腰掛けていただくことになります。そういったことを考え、NO邸の座面クッションをつくらせていただきました。
オットマンも同様に組み木の構造で組まれていました。長年お使いになったことで座面を支える革が伸びてしまっていました。ソファの座面クッションは木の内側にクッションをつくらせていただくことにしましたが、そうするとオットマンの納まりがつかなくなると考え、伸びた革の部分を補修しようと考え、(組み木への興味もあったが)組み木をばらしてみることにしました。ばらす前に革がピンと張る部分にポイントをつけておきましたので、革の縫製を解き、そのポイントに合わせて伸びた革の部分をカットしました。そして、再度縫製をかけます。簡単に縫製といいましても、厚手の革(コード版)を縫うには普通のミシンでは針が通りませんので特注のミシンを使います。このミシンを持っていなければ、この加工ができないところでした。それぞれ3cmgほどカットしましたからずいぶんと伸びていたのでしょう。革がピンと張る様に縫い込んだ革を合わせて組み木で組んでいくのは頭と力を使う作業でした。念のため、ばらすときに手順を書いておいたのですが、それがなければなかなかきついところでしたが、汗をかきながら組み木が完成しました。これで安心してオットマンのクッションの中身であるウレタンの形と厚みを決めて作ることができます。そうして出来上がったクッションは上の写真の通りです。座り心地はNOさんに気に入っていただけました。
お客様のレビュー
東京都東村山市 NO邸(個人宅)
1.張り替えの仕上がりに関するご感想
30年以上使い續けていたスウェーデン製 ARNE NORELL のソファーが掛け心地、雰囲気等、まさしく別もののように変り、初めはちょっとビックリ。30年ともなると、椅子といえどもまるで身体の一部のようになっているものですから無理も無いですね。クッションの厚み、硬度はどんなオールド・エイジまで生きても、しっかりと支えてくれそうで満足です。アラ・カワさんの人間工学が活きていますよ。ホームページを見て椅子に対する考え方、人柄が判ったので即座に注文。予想に違わず、スピーデイで明朗誠実。納期もピッタリ。惜しむらくは、北欧独特の直線ラインのデザインが、なぜか今風のラウンド型に変えられていたこと。まあ、布地の雰囲気から見て、そちらに合わせたのかな、とは思いますが・・・。ともあれ、死にそうな程に疲れていた我が家の歴史を宿すソファーが元気に生き返ったんですから、椅子に負けないように、次の張り替えが頼める位まで私たちもガンバラナクッチャ!