カタログNO_D850
ダイニングチェア張り替え
カタログNO_D850
同タイプの加工例(計3件)
ダイニングチェア 座面(本体張り)
きっかけ | HPより | 当社への連絡 | お電話 |
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引取方法 | お引き取り | 引取日 | 2003-12-20 |
依頼加工内容 | 工房での作業 | お預かり期間 | 6日間 |
納品方法 | 納品 | 納品日 | 2003-12-26 |
納品場所 | 埼玉県川口市 HI邸(個人宅) | ||
納品住所 | 埼玉県川口市 | ||
ご注文回数 | 初回 |
加工内容
椅子種類/分類1/分類2 | ダイニングチェア/座面 / 本体張り |
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加工内容 | 張り替え |
数 量 | 4本 |
生地 | 革 |
柄/フェイス/織り | プレーン / ビニールレザー |
生地調達方法 | サンプル帳より購入 |
加工費 | ダイニングチェア座面(本体張り)の張り替え加工費 @ 12,100 円(税別 11,000 円) |
その他の費用 ご依頼条件にて異なる |
革代、送料(引き取り・納品代) ※加工費の他に上記の費用がかかりました |
作業内容の詳細 | ・座面のキルティング加工なし ・ウレタン交換 |
Before & After
職人からのひと言|井ノ上 浩二
ダイニングチェア張り替え
ダイニングチェア張り替え
HPをご覧いただき、ダイニングチェアの座面張り替えの件でお電話にてお問い合わせいただきました。HI邸のダイニングチェアは現在では希少なチーク材のダイニングチェアで、張り地である革は本体(木枠)に直接張り込まれているタイプでした。原産国であるタイやビルマなどでは森林伐採などの問題(以下、注釈参照)を抱えていることから、材料としてではなく、国内で加工した製品を輸出していると聞いている。そのため、現在ではショップなどでもチーク材の家具を見かけなくなってきました。しかし、張り替え時期のソファやダイニングチェアなどではチーク材を用いたものをよく見かけます。10年?20年ほど前は良質なチーク材で作られた家具が多く製作されたのでしょう。
HI邸のダイニングチェアの座面には革が張られていました。3枚の革を接ぎ合わせたデザインとなっておりましたが、その縫製部分から裂けてしまったようです。革としての耐用年数はまだ先までお使いいただけそうな感じがありましたが、接ぎ合わせはミシン加工で行いますが、針で穴を開けて縫っていくことになりますので、その箇所から破けてくるケースが多いのです。そのため、今回の張り替えでは、座面の接ぎ合わせをなしにして、贅沢に1枚革で張らせていただく提案をさせていただき、この方法で張り上げることになりました。中身ウレタンも交換して座り心地は新品当時をと同等に仕上がっています。
■注釈■
加速する森林伐採ビルマの国土の半分は森林で覆われている。1970年代から1980年代半ばまで、ビルマの森林伐採率は東南アジアで最も低かった。しかし、今日では材木はビルマの最大の輸出物だ。ビルマには地球上に残るチーク林の70%以上があり、国際市場上のチーク材の約80%がビルマ産であるとされる。ビルマからのチーク材の輸出量は過去数年間で急増した。
全体的に見ると1988年以来、ビルマの森林伐採率は2倍以上になり、地球上のチークの木はあと一世代の間にほとんどなくなるだろうと推定されている。ビルマからの不法な材木の輸出もかなり増加し、ビルマは隣国タイが輸入する不法材木の70%を供給しているため、タイへの不法材木の最大供給国となっている。現軍事政権が権力を握るまでは、少数民族がタイ・ビルマ国境地帯の材木貿易を支配していた。軍政は先住の少数民族の土地に大規模な森林伐採権を設定し、外国企業に与えた。
これらの伐採契約は、年間1億1,200万ドルにも上り、面積にすると18,800平方キロで、伐採地域はそれまでの3倍に拡大された。先住民族は環境への影響が少ない伐採方法を伝統的に採っていたが、外国企業は大きな機械を使い、被害の大きい皆伐や過剰伐採を行った。大きな機械が現場に入れるようにするには伐採道路の建設が必要となるが、この伐採道路の幅が必要以上に大きく、広い範囲で地面がむき出しにされ侵食されるようになった。また、伐採道路は小川に沿って走ることが多く、侵食により小川の急速な沈泥を引き起こした。
野放図な道路建設や皆伐が降水量の多さや急な傾斜と相まって、急速な土地の侵食、乾期の水量の減少、そして洪水の増加を引き起こした。1990年代後半に非常に大規模な強制移住政策が実施されたシャン州中央部では、住民を移住させた後の森林の伐採が急速に進んでいる。産出される大量の材木は政府機関が買い取り、首都ラングーンを始めタイや中国に運送されていることがシャンの環境保護団体による最近の調査で明らかにされている。
-----「ビルマの環境と開発問題」より引用(Date.2002.12.25)-----