FUJI FURNITURE(冨士ファニチア)社製
カタログNO_C420
背付きダイニングチェア()
きっかけ | HPより | 当社への連絡 | 見積もりフォーム |
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引取方法 | お引き取り | 引取日 | 2002-09-07 |
依頼加工内容 | 工房での作業 | お預かり期間 | 7日間 |
納品方法 | 納品 | 納品日 | 2002-09-14 |
納品場所 | 埼玉県北本市 KU邸() | ||
納品住所 | 埼玉県北本市 | ||
ご注文回数 | 3 回|お客様リピート実例へ |
加工内容
製造メーカー | FUJI FURNITURE(冨士ファニチア)社製 |
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椅子種類/分類1 | ダイニングチェア/背付き |
加工内容 | 部分張り替え |
数 量 | 5本 |
加工費 | ダイニングチェア座面のウェービングテープ張り替え 1脚 10,000円(税抜)*総額表示義務付施行前 |
その他の費用 ご依頼条件にて異なる |
送料(引き取り・納品代) ※加工費の他に上記の費用がかかりました |
作業内容の詳細 | ウェービングの張り替えと「かぶせ」 |
Before & After
HPをご覧いただき、ダイニングチェア座面のウェービングテープ張り替えの件で、「FAXでお見積もり」で質問にお答えいただき、FAXにてお問い合せいただきました。早速、電話を差し上げてダイニングチェアの形状をお聞きしながら、お見積もりさせていただきました。お見積もりにご理解いただきまして、お引き取り日時をKUさんの休日の日で決め、お引き取りにうかがいました。以前はラバーテープという天然ゴムを使用した材料を使用しておりましたが、年数が経つと硬化して、弾力がなくなり、切れてしまうため、今回はウェービングテープで張り替えさせていただくことにしました。ウェービングテープは硬化しにくくつくられたものですので、近年ではほとんどウェービングテープに切り替えています。ダイニングチェア座面のウェービングテープ張り替えは1脚 10,000円。その他に引取・納品代がかかります。
ウェービングテープと座面クッションの中身ウレタン補充をさせていただきましたが、表面の革はまだまだしっかりとしていましたので、ここまでの作業をさせていただきましたのでまだまだ充分にお使いいただけると思います。加えて、木枠本体のネジというネジはすべて増し締めしておきましたので、特に肘の多少のぐらつきは、しっかりと固定されています。気の付く点はすべてチェックさせていただきました。今回のウェービングテープの交換を含めたすべての作業が、ほとんど写真では伝えにくいものでしたが、KUさんに10年後、その効果を実感していただけましたら光栄です。お引き取りのとき1週間くらいとお話ししてお預かりしたのですが、その週に突発の仕事が急に入ってしまったために、その日のうちから取りかかり、翌日の日曜日も出勤して作業と納品を完了いたしました。つまりお引き取りした翌日に超特急で納品させていただきました。
ReChair椅子張り職人の仕事
ダイニングチェアのウェービング交換
「ラバーテープ」という弾力性のあるテープを縦横方向に引っ張りながら張ってありました。しかし、この「ラバーテープ」は天然のゴムを使用しているため、年数が経つと硬くなって交換してしまいます。そうなってしまったら伸びた状態で硬化し、必要以上の力が加わったときに切れてしまいます。こうなってしまっては弾力もなくこの部分が落ち込んだ座面になってしまい、腰掛けることが苦痛になります。座面のクッションを木枠本体から取り外してみるとさらに明らかです。左側の右端の写真はクッションの裏側ですが、ラバーテープの跡がはっきりと分かります。ラバーテープでクッション裏の布が擦り切れている箇所もありました。ラバーテープを本体からきれいに取り除き、木枠だけの状態にします。
木枠に「ウェービングテープ」を縦横方向に張っていきます。そのときにウェービングテープを網代におりながら張っていきます。こうすることによってそれぞれのウェービングテープが面として力を受けることができます。「ウェービングテープ」はラバーテープと違って硬化しにくいため、ウェーピングテープの弾力を長く維持でき、切れたりする事例もほとんどありません。次に「かぶせ」と呼んでいる工程に入りますが、布地を1枚上から被せて張ってあげます。座をとして座面として受け止められるようにすることで中身ウレタンなどを面で受け止めることができるので、上段の写真のような食い込みなどが起きにくくなります。張り替えのときに以前の制作過程をみてみるとこの「かぶせ」の工程は省かれることが多く、ウェービングテープの上に直接ウレタンがのっかているケースも少なくありません。”AZUMAのイス張り替え”は、もともとオーダーメイドが主な仕事ですので、こういった「かぶせ」の工程など、手間をかけるべき工程を省くことはありません。イスの10年後をイメージして仕事をしているからです。ひとつひとつの工程に意味があり、それを理解することで良い仕事をしております。座面のクッションを取り付けてウェービングの交換は完了しました。
ラバーテープが伸びたり、切れたりして座面が落ち込んだ状態で使用してしまったために、中身のウレタンがひどく痛んでしまっていました。本来、ウェービングテープの交換のみというお話しでしたが、”AZUMAのイス張り職人”はこのウレタンの状態に目をつぶることができず、思い切ってウレタンを補充してある程度の部分まで復元しました。
気の付いたところはできるだけ手間をかけて、より良い状態で長くご使用いただけるようにして、納品させていただく、それが、”AZUMAのイス張り替え”の考える手間仕事です。中身のウレタンのことなので、写真ではあまり分からないかもしれませんが、座面中央のへこみ部分がなくなって、気持ちふっくらとしています。座り心地としてはまったく違ったものになっております。