カタログNO_B136
背付きダイニングチェア(背クッション付き)
きっかけ | HPより | 当社への連絡 | お電話 |
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引取方法 | お引き取り | 引取日 | 2001-08-18 |
依頼加工内容 | 工房での作業 | お預かり期間 | 21日間 |
納品方法 | 納品 | 納品日 | 2001-09-08 |
納品場所 | 東京都千代田区 IS邸(個人宅) | ||
納品住所 | 東京都千代田区 | ||
ご注文回数 | 3 回|お客様リピート実例へ |
加工内容
製造メーカー | FUJI FURNITURE(冨士ファニチア)社製 |
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椅子種類/分類1/分類2 | ダイニングチェア/背付き / 背クッション付き |
加工内容 | 修理・補強 |
数 量 | 2本 |
生地 | 布地支給 |
加工費 | ダイニングチェアの木部修理 @ 0 円(税別 円) |
費用 ご依頼条件にて異なる |
送料(引き取り・納品代) ※部分的な加工の場合はその都度見積もりとなります。 |
作業内容の詳細 | ホゾの抜けた部分や割れて欠けてしまった部分の修理・補修 |
Before & After
HPをご覧いただき直接お電話をいただきました。チークのダイニングチェアの木枠のぐらつき修理のご依頼でした。私はイス張りの職人ですので、木部の修理に関してはその場でお見積もりすることが出来ませんでした。ダイニングチェアを持ち帰らせていただき私どもの仲間内の”腕の確かなイス木地職人”に見てもらいお見積もり差し上げました。張り替えと違って、修理の場合、一概に修理費を提示できません。あくまでYAさんのダイニングチェアの場合ダイニングチェアの修理費は1脚25,000円。実は、ダイニングチェアのほとんどの接合部分において接着剤が乾燥などの為に効力なくなってぐらついている状態でした。さらに今回はISさんがご自分で木工用ボンドを付けられた部分を落とすことの大変な手間が必要になってしまいました。
丁寧な造りのダイニングチェア
写真のダイニングチェアは本体の木枠と座板で、この上に座と背のつながったクッションが乗せられてダイニングチェアとなります。今回は4本の脚にぐらつきが見られました。しかし、写真:右のように座板の裏側の角の部分に角木(すみぎ)と呼ばれる木が座面の枠をゆがまないようにしっかりと固定しています。角木がなければぐらつきがずっと早くから出ていたでしょう。角木はイスの寿命を十分に延ばしてくれます。もともと、とても丁寧な仕事がされておりました。
相当なぐらつきが見られたためにダイニングチェアのほとんども接合部分を一度抜き取り、組み直すことになりました。緩んだ接合部分の隙間に木工用ボンドが詰めたれていたので、そのボンドの塊を取り除く作業が大変な作業となってしまいました。この塊を取り除かないで、接着剤を入れ圧着しても、ボンドの塊の厚みで完全な圧着が出来ず、無意味な塊をまた作ってしまうだけになりますので、接着剤の効力は十分ではありません。そのために大変であってもボンドの塊をきれいに取り除かなければならないのです。
接着剤の切れ
長年お使いになられている間に、乾燥などによって接着剤の効力が切れてしまうことは必然でもあります。この状態になった場合には、必要な道具がない限り、ご自分で木工用ボンドなどを用いて修理なさらないことをお勧めいたします。木工用ボンドは完全に圧着させてこそその効力を発揮します。ご自分で圧着で着ない場合はボンドの塊を隙間に押し込んでいるだけで、ほとんど効力はありません。そればかりでなく職人が修理する際にボンドの塊が取れずに、逆に手間が必要となってしまいます。
そして、ボンドの塊を取り除いた後に、はじめて接着の工程に入っていきます。ホゾやダボに接着剤を付けて圧着します。その際、押されて出てきた接着剤は濡れた布できれいに拭き取ります。そして一晩置いておけば接着剤が乾いて効力が最大限に発揮された状態で固定されます。