カタログNO_C414
背付きダイニングチェア(背張りぐるみ)
きっかけ | HPより | 当社への連絡 | 見積もりフォーム |
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引取方法 | お引き取り | 引取日 | 2002-09-04 |
依頼加工内容 | 工房での作業 | お預かり期間 | 10日間 |
納品方法 | 納品 | 納品日 | 2002-09-14 |
納品場所 | 埼玉県和光市 IJ邸(個人宅) | ||
納品住所 | 埼玉県和光市 | ||
ご注文回数 | 1 回|お客様リピート実例へ |
加工内容
製造メーカー | HUKLA(フクラ)社製 |
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椅子種類/分類1/分類2 | ダイニングチェア/背付き / 背張りぐるみ |
加工内容 | 張り替え |
数 量 | 6本 |
生地 | 布地 |
柄/フェイス/織り | スモールパターン / ジャガード |
生地調達方法 | サンプル帳より購入 |
加工費 | 背付きダイニングチェアの張り替え加工費 @ 27,500 円(税別 25,000 円) |
その他の費用 ご依頼条件にて異なる |
布地代、送料(引き取り・納品代) ※加工費の他に上記の費用がかかりました |
作業内容の詳細 | 中身ウレタン交換 6本中1本は成形合板にぐらつきがあったので修理&補強 |
Before & After
HPをご覧いただき、「HUKURA」社製、背付きダイニングチェアの張り替えの件で直接お電話いただいた後、「お見積もりフォーム」で質問にお答えいただき、メールにてお問い合せいただきました。後日お電話差し上げ、引取日時を決めさせていただきました。6脚中1脚だけ背もたれがぐらついているものがあるというので、修理可能かどうかお引き取りの際に見させていただくことになりました。張り地サンプル帳を持ってお引き取りにうかがいました。しかし、ダイニングチェアの形状から布地での張り替えをお勧めして、布地をお選びいただきました。修理分も布地を剥がし木枠だけの状態にしなければ分からない形状でしたので、お引き取りさせていただいた後、工場で修理してみることにしました。結果、修理可能となり6脚すべて張り替えさせていただくことになりました。「HUKURA」社製、背付きダイニングチェアの張り替え加工費は1脚 12,000円。この他に布地代と引取・納品代がかかります。
「HUKLA(フクラ)」社製のダイニングチェアということでうかがっておりましたが、「HUKLA(フクラ)」社のイメージである「柔らかい」というイメージがダイニングチェアにも健在でした。今回、中身ウレタンを交換させていただく上で心がけたことは、現状よりも硬めの座面をつくるということでした。とはいえ、オリジナルの雰囲気を壊さずに表面の柔らかさを残したまま、中身ウレタンを硬めにつくりました。しかも、オリジナルの綿の量が多かったので、今度はしっかりとしたウレタンで厚みを取り、綿の量を減らしました。こうすることによって見た感じはソフトに、腰掛けるとしっかりとした座り心地に仕上げることができました。
もとの布地は汚れが目立たないような布地を選ばれたそうですが、それでも、年数が経つと汚れてきてしまうものです。今回お選びいただいた布地は撥水加工が施されているため、水分をはじきます。と同時に汚れ防止にも力を発揮します。およそ原寸大ですが、(右から2番目の写真)布地のカットサンプルをご覧いただき、布地をお決めいただきました。布地のことはこれくらいにしておきまして、張りで苦労した点にふれたいと思います。それは、柔らかいイメージを残したまま、硬く張ることです。そのために、ウレタンを形成する段階から様々なことを考えて工夫しております。結局のところ、座り心地はウレタンの下ごしらえが終わった時点で決まっているわけですから、下ごしらえの段階から気を抜くことができません。下ごしらえが終わったら、布地の型を取って縫製して、一度被せて確認し、OKであればそのまま他の5本分を縫製していきます。布地を被せて張り上げたら、張り替え完了となります。納品当日はIJさんに大変お喜びいただきました。
ReChair椅子張り職人の仕事
●ダイニングチェアの修理&補強●
背もたれから座面にかけて1枚の板を曲げてつくられた木部をベースにイスが成り立っていますが、こういった湾曲させた板のことを成形合板と呼んでいます。湾曲した型どおりに、うすい板を何枚も重ね合わせてできています。今回、IJ邸の6本中1本が背もたれに寄りかかるとぐにゃっと後ろに反ってしまうものがありました。直せるならば直したいとおっしゃるIJさんにまずは板だけの状態にして様子を見てみますとお預かりしました。工場へ持ち帰り、イスの座面と背もたれを取り付けるためのL字アングルを取り付けることにしました。取り付けるに当たって、本体の方へ雌ネジをつけることにしました(写真右)。
結局のところ、ぐらつきの原因は、板と板との間の接着剤が切れてしまったことですので、その補強に板の厚みと同じ長さのステープル(ホチキスの針のようなもの)を方向を揃えて表裏から無数に打ち込みました。これだけでも背もたれは反り返らなくなりました。しかし、あくまでこれはL字アングルの補強ですので、L字アングルなしでは一時的なものだと思われます。
L字アングルを裏側からネジで固定し(写真左)補強します。イスの本体に置いて、L字アングルの出っ張り具合を確認します(写真右)。この後、L字のアングルの出っ張り具合に合わせて、硬めのウレタンをつくり、凹凸を無くして自然なカーブをつくりました。並べてよく見なければ、その違いにはほとんど気が付かなくなりました。修理や補強の場合、初めて見るイスを限られた材料で修理しなければなりません。腕に自信がなければ行えない仕事です。
お客様のレビュー
埼玉県和光市 IJ邸(個人宅)
1.張り替えの仕上がりに関するご感想
Rのついた柔らかなオリジナルの雰囲気を失わずに作っていただけました。 特に座面盛り上がり部分の程よい堅さと座面中央と背もたれ部分の柔らかさが絶品で、布地がもう少し馴染んで綿に座り癖がついた頃が、一番座り易くなるんじゃないかと数年後が楽しみです。 チャンスがあれば、いつかソファを荒川さんにお願いしてみたいと思っています。(ご主人より)
我が家の愛犬アウディ君も大変気に入っているようで嬉しく思っています。もちろん、我が家の子供も座り心地は「なかなかいいんじゃーない」と言っていました。早速、長男がお醤油をこぼしてしまい私は真っ青になりましたが、さすが撥水加工しているだけに、あとかたもなく綺麗になりました。さすが、荒川さんの自信作でもあるだけに身体にフィット感もあり長時間座っていても疲れないです。生まれ変わって、これからも私たちの疲れを癒してくれるのではないでしょうか。本当に有難うございました。また、ご縁があれば、荒川さんにお願いできたらと思います。最初にお会いした時から、なんだか初めてのようではなかった感じがして、色々無駄なお話をさせてもらい楽しい一時を過ごさせてもらいました。(奥様より)
2.張り替えを注文するまでの不安
HPではHUKLAの実例が書き込まれていなかったのですが、その他の椅子やソファの実績から想像して技術的な心配はしていませんでした。 特に家人が架けた最初の電話で、大平様に丁寧にお答えいただいているのを聞いて「あっ、この人たちなら、きっと任せられる」と夫婦共々直感的に感じたのを憶えています。
3.アラ・カワの接客態度
直接お会いできませんでしたが数度にわたるメールのやリ取りを通じてその誠実な人柄が伝わってきました。
4.その他お気づきになられた点
補修をしていただいた1脚もほぼ元通りで完璧です。