イノ・ウエの独り言
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顧客管理データベースの見積もりシステムとE-mail送信システムの構築
顧客管理データベースの見積もりシステム
データベースを活用することでいろいろなことが可能になることがちょっとずつ分かってきました。データベースはただのデータのテーブルでそのテーブルの引き出しにデータを入れたり出したり、修正したり削除したりとただそれだけなんだということが理解できてきました。あとはそれをどう活用するかなんですね。
最初に私が目指したのは見積もりシステムです。見積もりは以下のような要素の情報があれば見積もりができます。
「摘要」「数量」「単位」「単価」
例)「ダイニングチェア張り替え加工費」「4」「本」「5,000」
上記の情報が何行が集まることで見積り書らしくなってきます。各行の金額を計算して加算していき合計金額を計算していきます。いつも手書きで見積書を書く要領でパソコンに記録していき、計算だけをパソコンに任せるという感覚です。私の経験上の感想ですがシステムを作る上でいつも行っている作業の決まりを整理し規則化していくことが大切なようです。
そういった意味で見積書はデータベースを理解するにはちょうど良い課題でした。ただ大変最初に取っつきにくかったのは今までひとつの顧客データに複数行のデータを関連づけるということでした。たとえば、「アラ・カワ」さんに対して住所や名前、電話番号はそれぞれ1つしかないのですが、見積もりの場合は「アラ・カワ」さんに対して1行目、2行目、3行目…と複数行登録していくことです。こういったデータの関連付けは見積もりではじめてぶち当たった壁でしたのでデータベースがただの表の集まりということで考えるとどういった表を準備するべきなのかを考えさせられました。
ここで思いついたのが見積もりの行を表示させる順番を付けてあげることです。椅子の張り替えの見積書で1行目に「送料」が表示されてしまうのはいかがなものですよね。やはり送料は最終行あたりに表示された方がよいですね。そのために見積もりの要素として「表示順位」を決めるためのデータが必要だと考えひとつテーブルの列を増やしました。
次にせっかくのパソコンですので毎回同じことをタイピングするよりは参照用のテーブルを作成して品番のようなもので管理していけば時間の短縮と入力ミスを防いでくれることに気がつきました。つまり、以下のような参照用の要素データを参照テーブルに予め登録しておくと品番の「111」と入力すれば、毎回「ダイニングチェア座面張り替え加工費」と入力しなくても良いということです。これもある程度の頻度で使用する項目を整理して参照用テーブルに登録しておくと非常に便利に使えます。
品番:「111」、摘要:「ダイニングチェア座面張り替え加工費」、単位:「本」、単価:「5000」
しかし、ここで難しかったのは東加工所の見積もり内容はお客様によって摘要や単価が変わってくるということと参照用テーブルから引用してきた方が便利場合と直接入力してしまった方が早い場合とが混在することでした。ここのところはひらめきでクリアしてしまいラッキーでした。
最後に取り組んだのは「布と革と張り替えた場合での見積もりをください」と依頼された場合の見積もりの工夫です。詳細は次の項目をご覧ください。
← ●通常の見積書
例)「ダイニングチェア張り替え加工費」「4」「本」「5,000」
自動計算)4本 x 5,000円 = 20,000
自動計算)「税抜き合計金額」+「消費税(5%)」=「税込み合計金額」
●生地別の見積書 →
生地代以外の合計を小計として各生地(???…)の場合で見積もり
「生地?の場合」、「生地?の場合」、「生地?の場合」…
張り替え独特の生地別の見積もりをつくろう
「布と革と張り替えた場合での見積もりをください」
そういった依頼を受けた場合、手書きの見積書の場合は2枚の見積書を書いて提示していました。2枚ならいいですが
「布1と布2と布3と布4と布5で張り替えた場合での見積もりをください」
そういったご依頼も希にあります。そうすると5枚見積書を書く方も大変ですがご覧になる方も大変で比較がしにくいと考えていました…。
そこでアラ・カワが考えたのが生地代以外の見積もり項目を小計としてひとまとめにして、その下段にそれぞれの材料費を計算して上段で算出した小計と加算して税抜き合計金額、消費税、税込み合計金額を提示してしまうこと。この方法で1枚の見積書で生地別の比較が可能となります。詳しくは以下生地別見積書の切り抜き部分をご覧いただければその内容がお分かりいただけると思います。
分かりやすい明確な見積もり提示が重要と考えた理由として、ホームページからのお問い合わせは大半が個人ですので、家庭用FAX付き電話機でのFAX受信となるケースが多いことも理由のひとつとなっています。企業と違ってご自宅のFAXで数枚のFAXを受信するのはあまり良い気持ちがしません。そのためにできるだけ最小限度の用紙に比較しやすく整理されていた方が喜ばれると考えました。
顧客管理データベースのE-Mail送信システムで確実な連絡を…
E-mailでお客様とのやりとりをする際に最も気をつけなければならないことは「送り先を間違えないこと」ですね。しかし、Aさんへメールを書いている途中に、Bさんへメールを書かなければならなくなり誤ってAさんへのメールをBさんへ送ってしまうというミスは気をつけていても希には起きてしまうことです。個人情報保護の時代にそれだけは防がなければなりませんでした。そこで私が考えたのがせっかくのデータベース機能を活かしてシステム上からメールを送ってしまうということでした。
上図のようにAさんのページからAさんに向けたメールを書き始めると途中で用事が入って戻ってきたときにもAさん宛のメールの続きを書くことができ、Aさん以外には送信することができません。これによって他人へのご送信が皆無となり、またひとつAZUMAのイス張り替えへのお問い合わせを安心して行っていただけるようになりました。
また、送信した内容はデータベースに自動で保存されるため打ち合わせの詳細ページでは今までのやりとりも確認できるようになっており打ち合わせ内容を常に整理して対応させていただけるようになりました。
添付ファイルを付けることが可能になりました
上記のメールシステムで難点だったのが画像やファイルを添付して送信するときには使えなかったことです。ですが、この部分のプログラムを把握してAZUMAのシステムからもファイルを添付して画像などを送れるようにしました。しかも、どんなに大きなサイズの画像を添付しても自動に640x480のサイズにリサイズして添付するようにしたので誤ってお客様へ大きな画像のまま添付する様なことを防止しています。
このメール送信システムの今後の修正点は「CC:送を行えるようにすること」。じつはすぐにでもできるような木がするのですがなかなかうまくいかず今は「TO:送信」のみ対応となっています。必要性が要求されるようになったら本気で頑張ってみたいと思います。
紙ベースの見積書とE-mail送信システムの連携
E-mail送信システムで送信した見積りメールの中には紙ベースの見積もり書が表示されるページへのリンクが貼ってあります。紙ベースの見積書が必要な方はこのページを必要な時に印刷してください。こういったURLの提示もシステムで掃き出しているものなのでミスがなく確実にお伝えできるようになっております。生地別の見積もりをお知らせしている場合は表示される見積もりページも上記のような生地別の見積書表示となっています。その他注文請書やクレジットカード決済ページへのURLもすべてシステムで正確なデータを掃き出して提示させていただくことが可能となりました。こういったメース送信システムは確実かつ、作業効率が高いためアラ・カワも1人でのお客様対応に限界を感じていましたが、このシステムを作り出したことでさらに多くの方の椅子を張り替えさせていただくべく時間を作り上げることができました。これからもどこまでできるか挑戦していきたいと考えています。システムを更新していくのはAZUMAのイス張り職人として培った気持ちと似たようなところがあります。不思議なもので、システムを組んで自分の対応を整理していくことで毎年より多くのお客様の対応ができるようになっていることは間違いありません。
過去記事の一覧
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京都伝統工芸大学校(木工芸専攻 )に訪問 - 【vol.49】2016年 11月 2日
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