vol.30 簡単・きれいに張り替える方法(ダイニングチェア座面張り替え-日経版)

日本経済新聞に掲載された際に書いた「アラ・カワの独り言 vol.33」の記事の補足です。vol.33では日本経済新聞掲載後の反響について記事を書きましたが、その際に掲載された「ダイニングチェア座面を張り替える方法」の内容をアラ・カワなりにまとめました。

簡単・きれいに張り替える方法(ダイニングチェア座面)

1.本体から取り外す際にネジの場所と長さを確認します。

イスによってはネジの位置によって長さが違ったりしているのでそれを確認。短い場所に長いネジを使用すると腰掛けたときにお尻に刺さるので注意。(これは痛いですよ)

 

 

 

2.本体から取り外す際に座面と本体の組み合わせを決めておく

これは取り付けの時に役立ちます。手回しのドライバーでネジをつけるのでどうしても力がいります。そのため、もとの穴に入れてあげれば取り付け時の負担がかなり軽減されます。(私たちは電気ドリルを使用するので普段気にしておりません)

 

3.座面の布地(張り地)を剥がす

座面裏側のステープル(ホチキスの針のようなもの)を千枚通しのような先の尖ったもので持ち上げて、ニッパーで抜いていきます。力がいりますので大変な時はステープルよりも外側にマイナスのドライバーなどを入れ、テコの原理で布地ごと持ち上げると、ほとんどの場合ステープルは持ち上がってくれます。特に角部分にが集中していますのでこの部分だけは千枚通しとニッパーを使って抜いた方がよい。(張るときにもこの部分にステープルが集中するので、打ったステープルがはじかれないために行う)この要領でステープルを抜いていきます。抜けないステープルは無理に抜かずゲンノウ(トンカチ)で叩き、板面を平らにして仕上げればよい。また、途中で切れてしまったステープルも叩いておきましょう。張るときに手を引っかけてケガを招きます。(イス張り技能試験では出血はイスを汚す可能性があるため大減点です)

 

4.下拵え(必要な場合)

剥がし終えると座面板にウレタンが貼り付けられています。(または剥がれています)。このウレタンの交換、補充をするかしないかはみなさんにお任せいたします。近年ではウレタンはホームセンターや東急ハンズなどで購入可能です。(またその際は、一緒にゴム系の接着剤もお買い求めください。)ウレタン交換をする場合はもとのウレタンを剥がし取り、座面板とウレタンの両面に接着剤をつけ、乾いてから取り付けます。このとき、接着剤をつける場所はまわり1周と中央にさっと丸を描くぐらいの気持ちです。それから座面板とウレタンを貼り合わせて接着します。ウレタン交換をしない場合はそのままでも構いませんし、1枚薄いウレタンを上から被せて貼ってもよい。

 

5.張り加工(目をきれいに張る方法)

いよいよ張り加工ですが、布地には縦横の目がありこの目が曲がっているとがんばって張っても張り上がりがあまりよくありません。また、目がきれいに張ってあると角の処理などが多少いびつでもそれなりにきれいに見えるものです。そのために、座面板の裏側に座面板の縦方向の中心線を引いておきます。布地の方も、長方形などに裁断しておき、2つに折って中心を出し、目印に切り込みを入れておきます。まず、座面板の中心線と布地の切り込み部分を合わせて仮止めをします。次に再度もだいたい中心を仮止めをすると、座面板の四方を1カ所ずつ仮止めされている状態になります。この作業を踏んでから張り込んでいくとそれなりにきれいに張れると思います。(私達もこういった方法で布地の柄合わせなどを行います。)

 

6.張り加工(角の処理)

4点の仮止めが終えると、私達は次に4つ角を止めてから最後に辺を止めて仕上げます。みなさんがご自分で張るときには辺を先に張った方が張りやすいのかどうかもっとも悩んだところです。今回の取材では角から止めていく方法をお教えしました。この部分の説明は文章では難しいですが、何とか書いてみます。まず、前方の角から斜め方向に引っ張りながら、座面板の裏側に持ってきたところをステープルで1発打ちます。次に横方向から布地を持ってきていらない布地の部分は折りながら座面板裏に打ちます。このとき、折り返したいらない布地分はあらかじめ切り落としておきます。仮止め部分まで数発本止めのステープルを打ちます。そしてステープルより内側のいらない布地の部分は切り落とします。同様に前方より布地を持ってきて張り込んであげます。次に前方の反対側、後方とこの方法で4角とも仕上げていくと表面お張り加工完了です。難しいですが、何度もやり直して試してください。

 

7.底張り(化粧)

最後に化粧としての役割となります「底張り」を行います。ご自分用のダイニングチェアを張り替える方は特に必要ないという方もおられるでしょうが、職人として張り替え作業の最後まで説明させていただきます。表張りのみですとステープルが乱雑であることが多いので、それを仕上げるのが底張りです。適当な布地で構いませんので表張りのステープルが隠れるように底張りを張って仕上げてください。このときにネジ穴が隠れてしまいますので穴部分に印しをしておくと便利です。

 

8.取り付け

座面と本体の組み合わせを確認し、また、ネジの位置や長さなども確認して取り付けていきます。無事に取り付けられましたら完了です。

 

上記写真の受注実績は「B042 EG邸」で紹介中

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