vol.11 愛知県から同業者の客人来る
電話が鳴って出てみると
「愛知県からのお客様をお乗せしてるんですが、どうやっていったらいいですか?」とタクシーの本部からだった。
”愛知県???”HPからのお客さんの問い合わせではいなかったような・・・。しかし、岐阜県の”ワタル”さんのことかなぁ。いったい、どんな方がわざわざ向かっているのか、予知せぬ出来事にただ到着を待つのみだった・・・・。タクシーが到着し降りてこられたのはスーツ姿の男性の方。東加工所の社長不在のためアラ・カワが接客させていただきました。
名刺交換をすると同業者の方でした。愛知県は豊橋市で家具の製造や卸を営んでいるとのこと。お名前は鈴木さん。東加工所のHPをご覧になった時に関東へ出張の際にはちょっとのぞいてみようとお考えになられたとのこと。タクシーを外で待たせていたことと本日愛知の方へ帰られるとのことでお話出来た時間は20分間ほどでしたが
イス張り業界の現実などをお話ししました。
HPを通してイス張り職人とお客様が直接取引をさせていただける時代が来たと思います。輸入家具の破格さに目を疑ってしまう現状からどうやって生き残ればよいのか。そんな話題にもなりました。例えば30年前のソファとバブル時代の使い捨て感覚のソファとを比べると、前者と後者の木枠、中身のウレタン、張り地をはがして比べると一目瞭然です。私たちが最初に、はがすのは底面の底張り。この底張りの張り方や底張りをはがした中の張り方をみるとイス張り職人が張ったイスかどうかすぐにわかる。イス張り職人はハサミを惜しまずに使うものだが、そうでないものはハサミを使わずに乱れ打ちである。それはたいしたことではないが、結局は木枠とウレタンに大きな違いが出てくる。前者の木枠は重い。後者は以外と軽い。この差はイスの耐久性(寿命)に大きく関わる。イスに適した木材を必要な場所に必要なだけ使う。こんな当たり前のことがイスを安価に仕上げるといったことのために出来ないでいる。”使い捨て?”そういってしまえば耐久性は必要ないのかもしれないが、前者のイスにはそういった造りのものはほとんどない。バブルの時代に後者のイスを購入した方にとってはそれが基準の価格である。張り替えることによって購入時より高価になってしまう時代になった。このような時代はしばらく続くだろう。その中でどの様に生き残っていくべきか?
そんなお話を鈴木さんとしました。お時間も迫っているようでしたので本日は漠然としたお話になりましたが、鈴木さんの行動力にはアラ・カワ脱帽です。アラ・カワの中にはアラ・カワは職人なのだから本来の理想は工場でイスを張っていることが大前提ですが、HPをとおして様々な方と出会える楽しみを味わっております。なによりもHPがなかったら鈴木さんとお会いすることもなかったのでしょうから、がんばって作った甲斐がありました。
同業者の方、競争の時代よりも協力の時代かもしれませんね。横の繋がりも大切にしましょう。
私たちイス張り職人の最終的な目標はお客さんに喜んでもらうことですからね。